
残業や長時間のデスクワークが続くと「肩こりがひどい…」と、常に気になって何事も無気力になってしまうことありませんか?
私自身も過去、肩こりがひどく、長年悩まされていました。慢性的な肩こりがあると仕事の集中力やパフォーマンスがどんどん低下して、恥ずかしながら時には自分の周りの人に八つ当たりをしてしまった時だってあります。
頼みの綱で行ってみたマッサージもその瞬間のリラックス効果は持続せず、すぐに肩の不快感が戻りお手上げ状態でした…「このまま一生肩こりと付き合って行かなければならないのか…」
ガチガチになった肩からスッキリ解放されたら、どれほど普段の生活が楽になるでしょう。今回は、肩こりの原因と一人で簡単にできる効果的なストレッチなどの解消法をお伝えいたします。
そもそも肩こりの原因とは?
そもそも肩こりとは何でしょう?原因がわからなければ適切な解決策を見つけることができませんよね。
勘違いされることも多いですが、肩こりは病気でなく症状です。経験があるかも知れませんが、肩こりがひどいからといって病院でレントゲンやCTをとっても症状として何も映りません。筋肉などが硬くなったり緊張してしまう軟組織性の問題だからです。
結論として”肩こり”は筋肉の損傷で起きるのではなく、肩関節まわりの「筋肉の緊張」と「血液の循環不全」が原因です。この状態はスパズム(Spasm)とも呼ばれ、筋肉が局所的にその一部を緊張させて出来た状態のことです。
長時間同じ姿勢や悪い姿勢を続けることで筋肉が疲れて「乳酸」という疲労物質が溜まり、筋肉が硬くなってしまいます。乳酸を分解して筋肉を正しく動かすためには、毛細血管を通して筋肉内に栄養や”酸素”が供給される必要があります。
ですが、筋肉がこわばって血管が拘縮している状態では酸素や栄養が筋肉に行き渡らず、たまった疲労物質がうまく排出されなくなり、筋内圧が上がり血流が制限されます。
筋内圧が上がると筋肉がうまく動かなくなって代謝が悪くなり痛みに敏感になるため、脳からシグナルとしてセンサーが上がります。結果、神経を刺激して肩に”だるさ”や”痛み”などの「こり」を感じるようになるのです。
こうした悪循環がさらにスパズムを生み、肩こりのスパイラルから抜け出せなくなるのです。
肩こりの原因のスパズム(Spasm)って?
筋肉のスパズムとは筋肉・筋膜の収縮が続いている状態のことで、筋肉の急激な収縮や収縮状態を継続的に繰り返すと発症することがあります。
筋肉が過緊張状態にあるため本来であれば緊張のとける場面でもリラックスできず、常に筋膜が強張っていることで体も思うように動かせません。このせいで必然的に血液循環も悪い状態になり、「肩こり」の負のスパイラルに陥ってしまいます。
この「こり」が痛みや可動域の制限を作り日常生活での動きに影響を及ぼし、仕事の集中力やパフォーマンス低下の原因になってしまうのです。最近ではプレゼンティーイズムの原因No.1とも言われています。
出勤していながらでも体調やメンタル不調が原因で、従業員のパフォーマンスが低下している状態のこと
「こり」解消のためにお風呂やサウナに入って身体を温めたりマッサージを受けて肩こりの症状が緩和するのは、一時的に血流が改善して「こり」が少し緩まった状態になるからです。ただ、すぐに戻ることがほとんどです。
意外に多い!思わぬ肩こりの原因
肩こりを感じると、姿勢が悪いから…とか、血流が悪くなって…など解剖的な領域に目が行きがちですが、ヒアリングしてみるとそもそもの身体の栄養が足りていないことが原因の場合もけっこう多くあります。
例えば、栄養の問題(筋肉の材料であるタンパク質がちゃんと摂れてるか?過度な糖質制限をしていないか?それが原因で冷え性になってないか?そもそも水分はちゃんととれてるか?)
コーヒーはたくさん飲むけど、水分はあまり摂っていません…という人が実はけっこう多くいます。(コーヒーは水分ではないんです…)
など、まずは身体をつくっている基本的な栄養をちゃんと摂れているかもチェックしてみてください。
これで肩こり解消!マッサージやほぐすときのポイント
肩こりがひどくなってマッサージをしてもらっても、しばらくするとまたすぐ元のガチガチの肩に戻ってしまったという経験をされたことはないでしょうか。
これはセラピストの知識不足や間違ったやり方でやっているからです。まずは筋肉まわりの癒着などの緊張や制限のある箇所を特定してリリースしていくことが重要です。
効果的なほぐし方には3つのポイントがあります。セルフケアをさえる場合もぜひポイントを抑えてやってみてください。
ポイント❶ 筋肉の線維方向に合わせて加圧
筋肉はそれぞれ形や大きさが違い様々な方向に付着しているので、筋肉の走行にそって加圧していくことがポイントになります。
例えば、裏モモと言われるハムストリングは、お尻の付け根から膝下にある骨に縦方向に付着しています。その場合、筋の走行を考えると筋繊維を横断するマッサージよりも、筋肉が付着している「縦方向」に加圧するとより効果的です。
癒着したりして筋肉に制限があるということは、本来筋が動きたい方向に動きにくい状態になっているということ。なので本来筋肉が動きたい方向である筋繊維の方向にあわせて加圧していくと効果的です。
ポイント❷順番は筋肉の停止部から起始部に向かって加圧する
筋肉の癒着(筋の滑走不全)の改善を考えた場合、筋肉が動いていく(収縮していく)方向に動きをだしていくと効果的にリリースできます。
これを筋肉の起始(始まる部位)から停止(終わる部位)で考えると、基本的に筋肉は停止部が動いて起始部に近づくようになっているので、リリースで加圧する手の圧の方向も筋の停止部から起始部に向かっていくやり方が理想です。
ポイント❸ 筋肉が大きい場合は、何回かに分けて加圧する
筋肉の長さは様々でリリースしたい筋肉が大きい場合、一回の加圧でカバーすることは不可能なので何回かに分割してリリースする必要があります。
肩こり解消にストレッチは効果ある?
よく聞かれる質問ですが、結論からお伝えすると肩こりに解消にストレッチはめちゃめちゃ効果があります。
前述の通り、肩こりは血流制限により生まれるモノなので、解消するためには血流を促すアプローチ(筋ポンプ作用を促進)で刺激を与えることが効果的です。そのためのアプローチの一つがストレッチです。
ストレッチをかける時間については色々な考え方がありますが、筋ポンプ作用の促進を最大化を考えると5-7秒の短時間のストレッチを何セットかに分割して行う方法が効果的です。
エクササイズを組み合わせると効果倍増!
肩こり改善のためにストレッチと一緒に、さらにエクササイズを足してあげると効果倍増です。
アイソメトリックエクササイズ
肩こり解消の有効なアプローチの一つとして「アイソメトリックエクササイズ」というものがあります。
「アイソメトリックエクササイズ」は等尺性収縮運動とも呼ばれ、ダンベル運動のような筋肉をガンガン動かすエクササイズではなく、関節と筋の長さを変えずに行うエクササイズ方法です。
例えると、壁を押し続けたり、ダンベル等の重りを持って腕を90°に曲げた状態を保持し続けるような動作がアイソメトリックエクササイズの一例です。
このアイソメトリックエクササイズを繰り返す事により、
- 筋ポンプ作用を促進して血流を改善
- 腱部にも適度な刺激を与えて筋肉の弛緩
を図ることができ、肩こりの根本解決に期待できます。
筋肉のポンプ作用
アイソメトリックエクササイズの筋収縮を繰り返す事により、筋内圧の変化を起こし血流やリンパの流れを促進することができます。この筋ポンプ作用により、血流促進され痛みの物質を作りだす「こり」を一緒に除去してくれます。
筋肉のセンサーを調整
アイソメトリックエクササイズが肩こりに効果的に作用するもう1つの理由として、腱を効果的に伸張できるといる利点もあります。
腱は、筋肉と骨とをつなぐ身体の軟部組織の一つで、主にコラーゲンで構成されています。(ふくらはぎ のかかと辺りに付着するアキレス腱などが代表的。)この腱には筋の長さを調整するゴルジ腱器官という筋肉の張力探知器のセンサーがあります。
アイソメトリックエクササイズにより一定時間腱が伸ばされることにより、このセンサーが筋の緊張を落とすように脳に働きかけます。センサーから指示があった脳は筋肉を収縮させる神経を抑制するように働きかけるので、過剰に収縮した筋肉の「こり」が緩みやすい状態になるんです。
肩こりは気づきにくい
肩こり解消には早く対処するのがベストですが、気付けばかなり辛い状況になっていることがほとんどですよね。
痛みには種類がある
実はカラダの痛みには一次痛と二次痛があって、前者は例えば肩こり解消のためにストレッチをされて、筋肉がバツンと伸ばされた時に感じる痛み。
この時はストレッチ感があって効いているように感じますが、終わった後は元に戻ることがほとんどです。肩こりの原因になっている二次痛がある筋肉にアプローチできていないからです。
肩こりなどの筋肉の栄養不足(血液の循環が悪くなる)からくる痛みは二次痛と言われ、日常生活の中で気付きにくく自覚が現れた時はかなり重症になっていることが多いです。
普段自覚がないのに、血液循環が悪くなって内圧が上がっている筋肉を的確に触られるとめちゃめちゃ痛いです。「コリ解消」には、この内圧が上がってしまった筋肉の緊張を落としてあげることが重要なんです。
マッサージ店やストレッチ店で施術してもらって痛気持ちよくて効いてると感じても、翌日すぐに元に戻ってしまうことを経験したことがあるかと思います。これは循環不全が起きている筋肉を的確にリリースできていないからです。
肩こり解消には物理的に硬くなってしまっている筋肉と、血液の循環不全から動きにくくなっている筋肉を的確に捉え両方をリリースしてあげる必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
肩こり解消には、ストレッチや指圧で的確に筋肉を緩めて運動によって筋肉を再教育してあげることが重要です。
セルフケアで肩こり・腰痛がマシにならない時は
肩こりや腰痛の原因を理解できても、youtubeに出回っているセルフケア動画を観て自分でやるだけでは、
- コリの原因の筋肉にうまくアプローチできない
- その通りにストレッチや指圧をやってみても効果をあまり感じない
という人が少なくありません。解剖学の知識は奥が深いですからね。
FOLでは、そんな「肩こり・腰痛などから解放されて、人生イキイキしたい」という働く人を全力でサポートしています。
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